実用的で使いやすいのは、デコボコしていない、シンプルな紙製のもの。
本のページに負担がかからなくて、よきです。
和紙などの、ざらつきすぎず滑らかすぎず、しっとりとなじむ手ざわりが最高。
薄い木製のものは、しっかりと読みかけの本を保持してくれる。
指ではさんだときの、つややかな硬さと、木材独特のよい香りに癒されます。
ステンドグラスのような金属製のものは、本に挟むには正直、不向きです。
しかし見た目の華やかさ、美しさは随一。
しおりとしての機能ではない部分を愛でられる、アートな存在。
ご近所に、仲良しの本好き友がいます。
おもしろかったよ! な本を、リアルで貸し借りできるお友達です。
本の話も、他愛ない日常の話も、子どもの話も尽きることがない。
楽しくて、居心地がよくて、大好きなお友達。
そんな彼女からもらった、しおりたちです。

形、厚み、質感さまざまに。
しおりって、並べるとわくわくしますね。
私も彼女も、旅先でしおりを選んで、おみやげにすることが多いのです。
本を買うと、紙のしおりや紐のしおりがついていることも多いです。
わざわざしおりを買わなくても、付箋などで代用もできます。
だけど、あえて、しおりを選ぶ。
彼女の顔を思い浮かべながら、
これは使いやすそうかな。
あっ、これおもしろい!
え、ご当地限定もの!?
安心感のある王道のしおり、思わず笑っちゃうしおり、
めずらしい素材のしおり、ビジュアル重視のしおり。
読書に使ってもいい。使わなくてもいい。
本を彩る仲間として、ただそこにあるだけでいい。
増えても置き場所に困らず、決して本の邪魔をせず、それでいて本好きの心をくすぐる奥ゆかしさ。
控えめでありながら、大切に愛でられる存在価値が、しおりの大きな魅力なのです。
「しおり、コレクションしてるんだ」
何の気なしに、彼女が発した一言から始まった、しおりのやりとり。
彼女にしおりを選んでいるうちに、その魅力に気づいてしまった私なのでした。