その一瞬を、捨てないで。

書く時間は、私が私になる時間。

母でもなく、妻でもなく、ひとりの人間として…
じゃ、ありません。

母であり、妻であり、女性でありetc…
たくさんの顔を持った「中川希美」という人間である時間。

この違い、すっごく大事なところです。
全部、私。
いろんな私が混ざりあって、溶けあって、私が私になる時間。

私が、私である。
そう思えるのは、五感を使って文章を書いているから。

*五感で文章を書いてみる①*

*五感で文章を書いてみる②*

見えるもの。聴こえるもの。触れるもの。
感じ方は、その人だけの主観です。

秋の朝、同じ空を見上げても、
ある人には「高くて透きとおった希望の空」だし、
またある人には「絵の具を塗りたくったような平坦な空」だし、
もしかしたら「遠くてたどり着けない悲しみの空」かもしれない。

どの感覚に、どんな感情をのせるかに、人の数だけ物語がある。

その空を見上げた一瞬だけで、どれほどたくさんのことを感じているだろう。
無数の一瞬が、あっというまに過ぎていくんですよ。一日は。
しかも、あっというまに忘れていくんですよ。私たちは。

「忙しい」って流す日々に、いったいどれだけのものが詰まっているのかと思うと…!
流して、忘れて、なかったことになる感性が、純粋にもったいない。
こんなにたくさん、心を動かして生きているのに。

だから、私は私の感覚を、書くんです。
私の、今ここの主観を、書くんです。

私は文章を書くのが大好きだし、
みんなが楽しく書く世界はいいなあって想像するけど、
文章じゃなくてもいいと思ってる。

写真でも、絵でも、音楽でも、彫刻でも、ハンドメイドでも、踊りでも。
誰にも見せない日記でも、家族や友達との会話でも、SNSを使うのも。
実は、何でもいいと思ってる。

ヒトの生命維持にとっては不要不急なんだけど、
人に必要な豊かさである、文化や芸術やエンターテイメントなら、何だっていい。

書くのが好きな人は、一緒に書きましょう。
書いてみたい人も、一緒に書きましょう。
書きたくない人は、別の何かにしましょう。
そして私に、教えてください。

ただ、あなたの感性を、この世界に残してほしいと。
それだけは、願っています。
祈りのように。

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