うまれたての星(大島真寿美)

少女漫画の、大河ドラマがここにある。

本文、全637ページの大長編。
もう読む前から、この厚みにわくわくですよ。

1970年代は、私がまだ生まれる前。
時代ゆえの、女性の生きづらさや働きにくさが背景にあって、
読みながら、うっ…と息が詰まってしまうところもあったけれど。

ちょうど親が親になった頃なのだと考えると、
「漫画ばっかり読んで!」と怒っていた心情も、わかる気がしました。
この年代で少女漫画を楽しめる大人は、確かに少なかったんだろうな。

だけど、その歴史があったからこそ、
私が読んできた少女漫画があったんだな。って実感したし、

そうだよ、大御所のあの先生もこの先生も、少女だったんだ。
描く少女たちと、読む少女たちとが、時代を作ったんだ。
その熱に、心から震えた。

作家、編集者、読者。
男性、女性。新卒の若者、年配のベテラン。
いろんな立場の人たちが、少女漫画の歴史を作ってくれていた。

いまの暮らしは、先人たちの努力によって、私たちが恩恵にあずかれるもの。
とは、よくいわれる事実ですが。
私は、本当に体感したことはなかったんじゃないだろうか。

「この人たちのおかげで、今の少女漫画があるんだ…!」
体じゅうを電流のように走り抜けた感動で、いま初めて、
心の底から、そうなのだと理解する感覚を、理解しました。

この密度、長編連載を一気に読み終えたあとのような気分です。
しかも、歴史もののおもしろさに似ている。

物語そのもののラストシーンはわからなくても、
時代の流れとしての大きな結末は、わかるわけです。
だって、いまがあるのだもの。

それでもなお、わくわくさせる。
これを歴史ものと言わずして、なんという。

そこまで少女漫画に詳しくない私でも、
「あっ、これはあの大御所の先生だな」と、
モデルがわかる描写が、ちょこちょこあるのも楽しかったです!

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