いやあ、いい本箱だった!
【理想的本箱 君だけのブックガイド(幅允孝×NHK「理想的本箱」制作チーム)】
とてもやさしい、本箱でした。
帯に、
“あなたの漠然とした不安や悩みにそっと寄り添う一冊と出会えますように”
“悩み多き若者たちに贈る、本との幸福な出会い”
と書かれているとおり、ひとつひとつの紹介文が、とてもやさしい。
確固たる正解を出そうとも、導こうとも思っていなくて、ただ寄り添ってくれる。
「理想的本箱」は、私にとっては、真正面にあるものではないようです。
視界には入っていて、存在はいつも斜め後ろあたりに感じられる。
ふり向けば、いつでもそこにあり、存分に見つめることができるもの。
押すでも引くでもなく、そばにいて生きる勇気をくれる友のようで、
決して関わりを強要せず、私からの交流を、静かに待ち続けてくれるもの。
人間界に流れる時間を超えた、空気に似たやさしさが、嬉しいなあって思いました。
#読みたい本リストが伸びましたw
私が「読んでみたいな」「おもしろそうだな」と思う本の傾向は、
“感情のゆらぎを描く”がポイントみたいです。
私から過ぎ去った、私が流してきた、見落としてきた、繊細な感情のゆらぎ。
それらを、ていねいに、粒をすくいあげるように書いているものに、惹かれている。
本を読むことで、自分には持ち得なかった人生と感受性を、補っているのだと思います。
選書家の幅允孝さんが、最後に、
「本は人みたいだなあ」
と書いていたのが、大好きすぎた!
#まさに!
“過度に答えを期待しすぎず、
でも、本から聞こえてくる小さな声には耳を傾けて。”
という本との関わりは、実は人間関係すべてに当てはまる。
私は、読書からも、コミュニケーションを教えてもらっていたんだな。
と、感じたのでした。