テルアビブの犬(小出鞠るい)

犬って、こんなに無償の愛を向けてくれてるのか。
なんだかもう、一章からすでに涙が。

小出鞠るいさんの児童文学がおもしろかったので、一般小説も読んでみました。

ざっと著作を眺めると、軽やかに読めそうなものから、
ずしんとした読後感を予想させるものまで、幅広い。
帯に「敬愛するやなせたかし氏との約束の作品」とあったので、
興味を惹かれて、こちらに決定。

結果、想像していたのとまったく違っていたのだけれど、
想像できないぐらい、よかった…!
そして、しんどかった。

老人と子どもと動物がかわいそうな物語は、どうにもつらさが倍増する私です。
読んでいる間に、お腹が痛くなってきた。
でも、その苦しさがあるからこそ、感動もまた大きいのですけれど。

犬はまず、愛する者のことを思うのです。
愛する者が満たされていなければ、犬は決して、充足できないのです。
自分のことは、あとまわしでいいのです。いちばん最後でいいのです。

おおきなおおきな、まっすぐな愛。
だからラストは、主人公に怒り狂いそうになりました。
なんでそっちに行くんだ、馬鹿っ! 愛犬を裏切るな! …って。

できるだけ、遅く。
あなたが美しいまま、損なわれないまま、
もどってきてくれることを願いながら、空の彼方で待っています。

そう願ってたのに。あなたは、そこに帰らなきゃだめなのに。

同じく帯に書かれていた、
「思いもよらないラストに、涙が止まらなくなる--。」
は、本当だったなあ。

読み終えてから、テルアビブ空港乱射事件について、調べました。
私、知らなかったから。

知れてよかったし、読めてよかった。
と思いました。

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