久しぶりの、暮らし本です。
手に取ったポイントは、2つ。
ひとつは、帯の「手放したこと:毎日の完璧掃除」という言葉です。
たびたび書いていますが、掃除の手抜きが苦手な私。
あれはどうかな、これはどうかな…と、住まいや手順を試行錯誤しているけれど、どうやらこれは、気持ちの面のアプローチが必要だと感じています。
少しずつ「ほどほど」を意識できるようになってきたので、ほかの人たちがどんなふうに自分の中庸を知ったのか、興味があるのです。
もうひとつは、瀧本真奈美さんの名前を、DIYでお家を飾る特集で、よく見かけていたこと。
おしゃれで可愛らしいけれど、細かくてごちゃごちゃしているから、私には向かないインテリアだなあ、と思っていました。
その方から出た「手放す」というライフスタイル。
変化の理由が気になります。
というわけで、読んでみましょう!
「今、心地いい」暮らし
「はじめに」に書かれている、本書の内容は、こちら。
過去の暮らし方も大好きだったけれど、今の自分に正直に、落ちた体力に見合った暮らしを始めてみました。
キーワードは「手放す」です。
この本では、今の私にとって心地いい暮らし方をご紹介しています。
私にとって「心地いい」のは、気分が上がりすぎず下がりすぎず、「ちょっと楽しい」くらいの感じ。
何かをがんばりすぎることなく、肩の力が抜けたやさしい暮らしです。
2016年の熊本地震と、自分が歳を重ねたことが、暮らしのシフトのきっかけだそうです。
瀧本さんの基本は、
住まいで一番大事なのは、「そこに暮らす人が快適であること」だと、私は思います。
「見てきれいなのと、使ってラク、暮らして快適なのは違う」とも。
だから、「シンプルとはこうあるべき」「おしゃれなインテリアの法則」などにこだわる必要はないし。
「私はこうだから」に縛られず、そのときどきに合った暮らしを選べばよい、ということです。
人によって、年代によって、「心地よさ」は千差万別。
私自身、昔と今とでは、暮らし方はずいぶん変わりました。
でも、瀧本さんと同じで、昔の暮らしを否定するつもりはないし、常に「今の私にとって」心地いい暮らしであることの方が、大切じゃないかなと思います。
コツは、「今」に視点を合わせる。
本書を読むきっかけになった、私の掃除も同じですね。
「今日やらなくても、明日やればいい。でも、もし明日できなかったら困るから」と疲れていても頑張ってしまうとき、「今日」ではなく「明日」を考えています。
ゆとりと体力があるときは問題ないけれど、「年を取っても変わらずできるような」「忙しくなってもできるような」と試行錯誤しているとき、意識は「現在」ではなく「いつか来るかもしれない未来」にあります。
先を見据えるのは大事ですが、それで今の自分を苦しめてしまうのは、違う。
私を縛っていたものが、見えてきました。
暮らしの中に、ふわりと風が通り抜けるようです。