対談集 あなたが子どもだったころ 完全版(河合隼雄)

子どもに対して「こうしたら、こう育つ」は、ないんだなあと。
わかっていたつもりだったけれど、ずどんと腹落ちする本。

ひとりひとりに、それぞれの物語があった。

帯に書かれた、
”何かにぶつかった時にこそ、人の個性は磨かれる”
という言葉のとおりに。

子どもだったころ、ぶつかったもので磨かれてきた、
16通りの個性と才能の物語。

わたしがいいなあ、おもしろいなあと思ったのは、
竹宮惠子さんの「孤高」の話。
山本容子さんの「絵にならないものを絵にする」話。
司修さんの「挿絵と装幀とたましい」の話、「深い意味での戦争体験」の話。
日髙敏隆さんの「米丸三熊先生」の話。
鶴見俊輔さんの「習って覚えることはできるけど、それを使って創造するのは別の話」という話。

わたしには、わたしの「子どもだったころ」があるはずなのだけれど。
記憶を深く辿り、語ってみたことは、そういえばなかった。
断片的なものごとが、ちらちらと舞っているぐらいのことしか。

もうすこし先、この対談に登場する方々ぐらいの歳になったら、
こんなふうに語ってみるのもいいかもしれない、という思いがよぎる。
自分ひとりでは、読むに堪えないモノができあがってしまいそうだから、
もしも、聞いてくれる誰かがいるのなら。

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