立ち寄ったコンビニで、たまたま目に留まりました。
名言といえば、前に向かう力強さや明るさをイメージしていたのですが…。
「後ろ向き」って、新しいなあ!
コンビニに置いてある本は、ダイエットやバナナのように、本屋さんとは違った意外な出会いがあって、おもしろいんです。
で、読んでみました。
本編前の一節に、とても説得力があります。
熱き男の熱きエールは、生きる元気と勇気を与えてくれる。
でも、待ってくれ。
何かに躓き、心がへし折れたとき、ポジティブな言葉だけが胸に響くだろうか。
もしかしたら、自分を理解し、救ってくれるのは、
己の弱さやダメさをあえて肯定するネガティブな言葉なのではなかろうか。
(中略)
この中に一つでも、弱った心を癒してくれるものがあれば、
それは間違いなく、あなたにとって名言となるだろう。
なるほど、「名言」ってそういうことか。
そのときその人に寄り添う言葉がどんなものなのかは、千差万別ですものね。
さて本編をめくったら、確かに後ろ向き!
自分には前向きだと感じられる言葉もあれば、タイトルに偽りなくネガティブな言葉もあり。
幸せな面だけ見ている私には、どきりとするものも、受け入れがたいものもありました。
でも、それは、言葉だけを切り取るから。
その発言の全体を見渡して、言葉が発せられた背景を知れば、逆に納得できるものも多いんです。
ひとつの言葉が見開きになっていて、右ページに名言・左ページに解説や出典が書かれた構成になっているので、きちんと読めばわかります。
言葉だけが一人歩きして、誤解を生むようなことも、少ないと思います。
前向きにしろ、後ろ向きにしろ、言葉には力がある。
受け取り方次第では、人を追いつめることも、救うこともできる言葉が、たくさん書かれています。
使い方を誤りたくないな、と心底感じた1冊でした。