「育ちがいい人」だけが知っていること(諏内えみ)

マナーというより、「気品」「品格」の本でしょうか。

マナー以前の佇まい、所作やふるまいにまで掘り下げて書かれています。

「育ちの良さ」とは、一度身につけたら失うことのない一生の財産です。

「育ちの良さ」とは、美しさを凌ぐ一生の武器となります。

そして、どなたでも、今からでも、手に入れることができます。

「育ち」は、変えられます。変えていいのです。

「育ち」は、自分でつくるものなのですから。

育った環境がどうであれ、今この瞬間から変えられる、ということ。

さらに言えば、私が今から身につければ、子どもたちに「育ちの良さ」を伝授できるということ!

皇族のようにと望んでいるわけではありませんが、これから社会に出ていくまでに、互いに心地よく過ごせるぐらいの気品が身につくといいですよね。

さっそく読んでみましたが、耳が痛い(笑)。

しばらく会社勤めから離れていたり、ワンオペ育児に必死だったり…。

気品もへったくれもない暮らしが、もう10年近く続いていました。

子どもの手が離れてきた今だからこそ、身につけたい。

自分にかける手間と時間とを、「育ち」を養うことにも使おうと思います。

まずは、ほほえみの表情・両手を使う所作・靴の脱ぎ方・車の乗り降り・「お」をつける言葉、あたりかな。

子どもたちを見つつ、台所にもたびたび立ちながら、手早くごはんをかき込む食べ方も、そろそろ何とかしたいですしね!

マナーとは心遣い

こういった本を読むのは、中谷彰宏さんの「君のしぐさに恋をした」、坂東眞理子さんの「女性の品格」以来です。

私が公式な場でのマナーというものを初めて意識したのは、小学校の修学旅行のときでした。

テーブルマナーを学ぶ体験があり、ナイフやフォークを正しく使って、きちんと食べることを習ったのですが。

マナーの数が多すぎて、当時の私には覚えられず、極度の緊張状態のまま、ごはんの味もわからずに終わりました。

以来、「正しいマナー」というものに、苦手意識ができてしまっていたのです。

でも、「君のしぐさに恋をした」を読んで、マナーとは堅苦しいばかりではないのだな、と感じることができました。

本書にも、こう書かれています。

みなさん、白か黒か、正解か誤りかが知りたいのです。

マナー、エチケット、作法、お行儀、ルールには明確な境界線が存在するわけではありません。

ですから本書でも、「これがマナーです」とはっきりお伝えできるものの他、マナーとは言わないまでも心地よいふるまいであったり、マナー以前の感覚的なことであったり、と線引きが曖昧な事柄も多数記しました。

そう。私たちの日常は、この微妙で曖昧なことだらけです。

そして、「育ちのよさそう」が醸し出されるときの多くが、この微妙で曖昧な場面においてなのです。

自分も相手も周りの人も、不快にならないような。

心地よくいられるような、ほんの少しの気配りが、マナーであり。

それを積み重ねていける人が、気品ある、育ちのいい人なんですね。

自分の体や動き、生活など、すみずみまできちんと意識できるようになることは、丁寧な暮らし方にも繋がるように思います。

ちなみに、読んでいて印象的だったのが、やましたひでこさんの「旅先で豊かに過ごす」エピソードです。

旅を楽しむその姿勢は、ただ物が少ないばかりではない、やましたさんの人生を見せていただいたようです。

さあ、私も気品ある歳の重ね方をしていきましょう。

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