「詩」一覧

【詩】電車に乗って

吊り革がぶらんぶらんと揺れる おしりを弾ませてゆら、ゆら、と私も揺れる 座ったまま流れる景色を見ていたはずが まるで私が...

【詩】秋の夕べ

秋の風は肌のいちだん深いところを通りすぎてゆく 乾いた草の匂い染みわたる鳶の声 傾きかけた太陽が熟れた果実のようにぷつ、と弾け...

【詩】秋のこどもたち

ごつごつした入道雲が空に溶けはじめました みどりいろの栗のいがはまだ心もとなく細く つるりとした柿の実は青くかたい皮に包まれて...

【詩】夏の空色

燃えつきてしまいそうなある八月の昼下がり 帽子を深くかぶってうつむいて歩いた 道路に落ちる私の影をいろんな影が通りすぎてゆく ...

【詩】夕焼け

この空を はじめて夕焼け と呼んだのは誰なのだろう この空に いちばんにあう名前をつけてくれた誰かの 心のうつくしさにわたしは...

【詩】眠る面影

おふとんに溶けるようにふくふくと垂れていた頬はしゅ、と引き締まり 時計の針よりも活発に回転していた小さなからだはわずかに寝返りをうつ...

【詩】溶けたかなしみ

かなしみでなにひとつ喉を通らないのは たぷり、とたゆたう涙がからだいっぱいにあふれているのかもしれない ひとつ残らず涙を流して...