
【詩】今は亡き
いつもより濃いめのお茶を淹れてしまった カップの底が見えなくて あなたは無事にあちら側まで着いたかしらと まだ見ぬ旅路が...
いつもより濃いめのお茶を淹れてしまった カップの底が見えなくて あなたは無事にあちら側まで着いたかしらと まだ見ぬ旅路が...
あの日の音は雨とともに 遠い明日に流しました 丸めた楽譜に踊る音符は いまも まだ記憶の中で 聴こえぬ音を奏でてい...
呑まれない 悲しみにも怒りにも絶望にも 私は 私を幸せまで連れてゆく
あなたとの思い出に花をのせます記憶に紛れてしまわないように あなたが私を思い出すときいちばんの目印になるように もし いつか忘...
たまにはお花を飾ろうとお花屋さんに行きました 冷たい風の吹く日でした 包んでもらった子たちの花びらが飛ばないように そっ...
生きるのに難儀しないようちいさく折りたたまれた心を うっかり破いてしまわぬようそうっと開いてみたのです 少女の面影を残したまま...
いつもは朝だよう と揺さぶり起こす ぐっすり眠るむすこの顔を 寝息に耳をすませただ眺めることのしあわせ
きみの心に咲く花を 静かに愛でるひとになりたい
かがみに映るあなたが しあわせであるようにと 毎朝 ていねいに微笑んでみる
どんなに隠しても隠しきれないなら 秘密なんかなくていい わたしの中身まるごと全部 きみに伝わっちゃえばいい