【詩】電車に乗って
吊り革がぶらんぶらんと揺れる おしりを弾ませてゆら、ゆら、と私も揺れる 座ったまま流れる景色を見ていたはずが まるで私が...
吊り革がぶらんぶらんと揺れる おしりを弾ませてゆら、ゆら、と私も揺れる 座ったまま流れる景色を見ていたはずが まるで私が...
世間では穏やかな秋の朝焼け 遠くの風に波の音が聴こえる すぐそばで夜の続きの虫の声 わたしの生きる毎日は こんなに...
秋の風は肌のいちだん深いところを通りすぎてゆく 乾いた草の匂い染みわたる鳶の声 傾きかけた太陽が熟れた果実のようにぷつ、と弾け...
ぱらぱらと雨が降ってきた。 しばらく木陰に立っていた。 やがて雨がやんだ。 さあ、と風が吹いた。 ざざ、と木の葉が...
ごつごつした入道雲が空に溶けはじめました みどりいろの栗のいがはまだ心もとなく細く つるりとした柿の実は青くかたい皮に包まれて...
燃えつきてしまいそうなある八月の昼下がり 帽子を深くかぶってうつむいて歩いた 道路に落ちる私の影をいろんな影が通りすぎてゆく ...
この空を はじめて夕焼け と呼んだのは誰なのだろう この空に いちばんにあう名前をつけてくれた誰かの 心のうつくしさにわたしは...
むせるような土の匂い生まれたての みどり 冬を溶かしてゆくやわらかなお日さま どこもかしこもあんなに春だったのに いつの...
おふとんに溶けるようにふくふくと垂れていた頬はしゅ、と引き締まり 時計の針よりも活発に回転していた小さなからだはわずかに寝返りをうつ...
かなしみでなにひとつ喉を通らないのは たぷり、とたゆたう涙がからだいっぱいにあふれているのかもしれない ひとつ残らず涙を流して...