可能性の卵

私は、話すのが苦手です。

子どもの頃から、ずっとそう思っていました。

だって、小学生のときなんか、近所の人に挨拶もできなかった。

声をかけられると体が固まってしまって、「うん」とか「はあ」しか言えなくて、大人が喜びそうな反応を返すことなんて、できなかった。

話せるようになりたくて、一生懸命、頑張ったけれど。

大きくなってからも、毎年クラスではうまく話ができなくて浮いていたし、職場にだってなかなか馴染めなかった。

接客業や営業職もやってみたけれど、マニュアル以上のことを話すのは、相当に難しかった。

人と話すのは、決して嫌いじゃないのだけれど、プレッシャーも大きくて、すごくエネルギーのいることです。

だから、私は話すのが苦手。

…だと思っていたのですが、先日、気がついてしまったのです!

話す能力

集団で何かをするとき、私はたいてい、聞き役やサポート役、繋ぎや連絡役をすることが多いです。

だから、表だってしゃべることはあまりなくて、後ろに控えて聞いていることがほとんどなのですが。

聞いていたら…

あれ? 私の方が、もっとわかりやすく説明できる気がする。

私の方が、きちんと気持ちが伝わるように、話せる気がする。

そんなふうに感じることが、何度かあって。

実際に、話さなければならない機会があったときには、「苦手だから、フォローしてね!」と旦那さんに頼み込みましたが。

結果、ひとりで話すことができて、旦那さんも「何だ、普通にしゃべれてるよ」と言ってくれました。

苦手だと思っていたけれど、実は思い込んでいただけで、話す能力は、ちゃんとついていたのかもしれません。

本を読んだり、文を書いたりするのは好きだから、自分の思いを言葉にすることは、苦手ではないし。

それを口から出せるか出せないかというだけで、子どもの頃は無理だったけれど、人生の経験値が上がるにつれて、できるようになったのかも。

自分で考えていたより、私はきちんと、話せるようになっているみたいです。

殻を破る

娘も、ここ3ヶ月ぐらいで、急に背が伸びて、体つきもふっくらしてきました。

女の子の成長期ではあるのですが、体が大きくなるのと同時に、気持ちがとても安定するようになったようなのです。

今までは「無理、できない」と言っていたことを、次々とクリアしていったり。

親の予想を裏切って、力強い言動を見せてくれたり。

まさに、殻を破るような。

卵から出て、のびのびと羽ばたき始めたような気がします。

私も、娘と同じなのかもしれません。

自分で作った殻に、ずっと入り込んだままでいたけれど。

外に出てみたら、実はもっと、いろんなことができるんじゃないかな。

それって、何て素敵で、わくわくすることなんだろう!

思い込みという殻で覆われた、可能性の卵を、私も子どもたちも、きっとたくさん持っているに違いありません。

これはもう、孵していくしかないですよね!

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