長男や長女が保育園に入る前は、「今日はここ、明日はあそこ」と、いくつかの遊び場をローテーションしたり、お出かけ先を変えたりしていました。
毎日同じ場所で、同じ遊びをしていたら、退屈なんじゃないか…と考えていたからです。
だから、実際に入園するときは、「これから毎日ここに来て、この建物の中で1日、同じように過ごすんだなあ」と、どこか切なかったことを覚えています。
変化のない毎日が、待っているように思えたから。
ところが、子どもたちは、いつも楽しそうに遊んでいます。
仲良しのお友達がいて、先生がいて、いろんな遊びを体験してくる。
大人から見れば同じような毎日だけれど、子どもにとってはそうではないし、「同じ場所」「同じ人」というベースがあるからこそ、安心して新しいことにも挑戦できるんですよね。
――思えば、私だってそうだった。
同じ学校に通い、家に帰り、過ごしてきました。
でも、毎日が同じなんてことはなかったし、逆に毎日違う場所に行っていたら、それだけで疲れてしまっていたかもしれません。
そう考えると、いつも同じ場所で遊んでいても、お気に入りのおもちゃがあることは、子どもの喜びや安心になるんですよね。
そこで、母親を通して、家族以外の人と繋がっていき、新しい体験ができるんだ。
遅ればせながら気がついた私は、次男のときは、子どもも自分も安心できて、人と関われるような場所ばかり行っていました。
同じようで、違う毎日
私は今、毎日同じようなスケジュールで、家事と育児をしていますが、それでつまらなかったり、むなしくなったりすることはありません。
読みたい本や観たい映画や、会いたい人や行きたい場所がたくさんあって、むしろ時間が足りないぐらいです。
子どもたちも、家に帰ると毎日、同じような遊びをしているけれど、とっても楽しそう。
ごはんも、同じメニューが続いても、嫌いなものでなければ食べてくれます(笑)。
無理に暮らしに変化をつける必要は、ないんですね。
10代で自身の元を形成して、自分のことに突き進んだ20代、出産と育児に走り続けた30代。
そろそろ、人生の分岐点なのかもしれません。
変化とスピードを追い求めるより、変わらないものと自分のペースが心地よくなって。
遠い先にある景色への羨望より、足元の小さくて綺麗なかけらを拾い集めるような。
そんな日々に、なりつつあります。