こちらがとても印象に残っていたので、作者買いしました。
どの短編も、ほろりと温かくて素敵でしたが、個人的には「檸檬」「聖夜」「さざなみ」が好み。
人物同士が直接または深く交わりはしなくても、取り巻く世界が変わってゆく物語です。
ただそこに存在する物事から、生きるための何か――きっかけであったり、力であったり、さまざまなもの――をもらうのが、実に絵画的で素敵だなあと思いました。
「アート小説」とは、まさに!
何はともあれ、美術館に行きたいです。
広くて静謐な空間で、圧倒的な絵を眺めたくなりました。