書けないのに、書いている不思議。

小説を書いています。

長編、中編、短編ともに書いてみて、もう20年ほど前に挫折したのに。
こんな記事も書いているのに。

*私は、小説が書けない。*

書けないのは、事実なんですが。
書きたいと思っちゃったものだから、しょうがない。

友だちが出版社を立ち上げて、
「希美さんの本を出したい!」と言ってくれて、
「本が出たら買うよ!」と言ってくれる人たちがいて。
紙の本を作ることに決めて、さあ何を書くかとなったときに、
なぜだか私が「小説で書こう」と思ってしまったものだから、書くしかない(笑)。

で、書きながら実感しています。
普段の投稿とは、使う脳の筋肉が違う。
もう本当に、お散歩とフルマラソンぐらい違う。

鉛みたいになっている物語脳を、必死で起動している感覚。
昔と比べて、自分自身の五感を繊細に認識できるようになったために、
キャラクター自身の感覚が降りてこないと、書いても違和感しかないのです。

うわべだけを滑るように書く文章は、書いていて気持ちが悪い。
降りてくると、すらりと筆が進むのだけれど、
そうでないときは、締め切り前の文豪よろしく白紙の前で唸ってみたり、
本を読むともなく読み出したり、唐突に運動をし始めたり。

1日かけて、ようやっと原稿用紙10枚分くらい。
今日に行き着くまでに、1ヶ月以上。
出来ばえはともかくも、1日30枚とか書いてた昔の私、どこ行った。

およそ「書けない」ということに無縁でした。
学校レベルならば困ることもなかったし、昔小説を書いていたときは、
書いては捨て、書いては捨てをくり返して、仕上げるスタイルだった。
今は、書く前の違和感と向き合う時間のほうが、まだ多い。

書けないって、なんて怖いんだ。
このまま1文字も書けないなんてことはない、とわかっているけど、
どこか感覚のずれた文章しか出てこない、という感覚は底なしの沼みたいで。

なのに、やめられないんですよね。やっぱり書くんです。
ある意味、変態の所業だとさえ思う。

だけど、一周まわって、戻ってきた気がしています。
私が、私に。

何だってできるわけじゃないけど、いつだって、またできるんだと。
書きたいものを、なんだって書いていいんだと。

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