オレンジ色のちいさな花が、朝日に照らされていた。
夕日のそれとは、ちがう美しさだ、と思った。
どのように美しいのか、言葉にしようとする。
よくよく光を見つめれば、夕日とのちがいを説明できない。
世界がオレンジ色に淡く輝き、かすかに風がそよいで花を揺らす。
この風景を、写真で切りとったとしよう。
「秋の朝」とタイトルがついていたら、わたしは朝の景色として見る。
「夕暮れ」だったら、夕方の景色だということを疑わない。
わたしが「夕日とはちがう美しさだ」と思ったとき、
光や色を目で見て、明確な差があったわけではないのだ。
ただ、いまは朝だから「朝の美しさ」だ、と判断しただけだ。
わたしは朝のほうが元気で、心身が創造的でみずみずしい。
朝と言われれば、活力に満ちた世界に見える。
今日のはじまりを、力強く踏み出したところだ。
夕方になると、ほんのりと体力値が減り、一日が終わりに向かう。
特に秋などは、色の鮮やかさと空気の冷たさがくっきりとしていて、
静かで、もの悲しさや切なさや憂いを含んで見える。
わたしは、このオレンジ色の風景の美しさに、
朝夕の時間の認識と、自分の心身の状態で、ちがいを感じた。
ように感じているだけなのだ。
どこまでも、自分に都合のよいように、世界の美しさを愛でている。
