大人はどうして働くの?(宮本恵理子)

普段から、「私は将来、何ができるんだろう」「働かなければ生きていけないのに」と、長女は悩んでいます。

確かに、自給自足生活ができない私たちは、ある程度の収入がないと、困るけれど。

何のために働くのかと言われたら、生活のためだけとは、言い切れないんですよね。

そもそも、「働く」って、どういうことなのか。

そんな悩める母娘に、ぴったりの1冊ではないかと思いました。

この本、何が素晴らしいって、「子ども編」と「大人編」の、両方があるんです。

同じ人からのメッセージが、ほぼ同じ内容で、子ども向けにわかりやすく・大人向けに掘り下げて、書かれています。

なので、読んでいても、「子どもだましの道徳みたいだなあ」とか、「綺麗事ばっかりだなあ」という気持ちにならず、素直に受け取れます。

人はなぜ働くのか

いろんな答えがありました。

  • 恩返し
  • 自分以外の誰かのため
  • 社会が成り立たないから
  • やりがい
  • よかったと思える瞬間
  • 最高に面白い謎解き
  • 仲間のために

どれも、それぞれに、なるほど! とうなずける内容です。

私なら、何て答えるだろう。

子どもの頃から、20代の終わりぐらいまでは、長女と同じような感覚でした。

自分と、家族の生活のために。

でも今は、それだけではないと思っています。

外での仕事も、家での仕事も、「自分と他人を喜ばせる」ためにやっていたときが、いちばん楽しかったし、幸せだったかな、と。

お客さんに「ありがとう」って言ってもらえたり、仲間から「助かったよ」って言ってもらえたり。

自分で工夫をして、よりよい仕事ができて嬉しかったり。

子どもたちが、喜んでごはんを食べてくれたり。

綺麗に磨き上げた床を見て、自分で気持ちよくなったり。

ただ「お金を稼がなきゃ、暮らせないから」と考えているときは、ちっともおもしろくなかったです。

今の私にとっては、「自分と他人が幸せに過ごすためのツール」として、お給料をもらう仕事や、家を支える仕事があって。

だから「働く」んだよ、って伝えるかなあ。

ちなみに、このシリーズの本は、これが3冊目のようです。

1と2も、ぜひ読んでみたいと思います!

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