冬の夜明け

朝、まだ暗いうちに起きる。

西の空には、月がぼんやりと浮かんでいる。

今日の暮らしの支度をしている間に、障子越しの空気が、朝に近づいていく。

鮮やかな橙や金色の日の出ではなく、うっすらと白い光が、深い藍色の空に、少しずつ溶け出していく。

冬の夜明けは、青いのだと思った。

夏のぎらぎらした朝日は力強くて、時間をぐいと押し進める、大きな時計台のような感じがするけれど。

こうして静かに青くなってゆく朝は、そっと時を測る砂時計のようだ。

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