有川浩さんは、安定のおもしろさで、安心して楽しめます。
いろんな人の物語が重なりあって、小さな奇跡のようなクリスマスを迎えるラストは、気持ちよく心に落ちてきてくれました。
初めて飲んだブラックコーヒーのようなほろ苦さも、無理やり飲み込んだ涙のようなしょっぱさもあって。
でも読み終えた後味は、しゅわっと甘味を帯びて弾ける、ラムネの泡みたいでした。
きっと、このあと、みんな幸せになれるよ。
そんな思いで、ページを閉じられる物語って、気持ちが温かくなりますね。
子どもの頃から、いろんな物語を読んできましたが、やっぱり私は、ハッピーエンドが好みです。
楽しくて、あったかくて、満たされる。
それを味わいたくて、ずっと読み続けてきたのかもしれません。