【読書スポンサー様】川のほとりに立つ者は(寺地はるな)

人と関わることが大好き! な、かわいい起業女子。
たくさんの笑顔をくれるお友達・三島千明さんが、贈ってくださいました。

【川のほとりに立つ者は(寺地はるな)】

ああ、川のほとりに立っている。

私は何も知らない。知ろうとしなかった。
知ろうとしてさえ、なお知らない。

私は、私の都合でしか、どこまでも世界を見ていない。

そんな自分を、思い知る。

たまたまそれが、周りとうまくかみ合って、幸せに生きられている。
私も、運がよかっただけだ。恵まれている側の。

たとえば家族の、友だちの、川のほとりに立っていて、
水底の石が見えていないのだと思い知る。
自分の水底だって、きっと見えてはいない。

物語を読むとき、私は、描かれている視点に感覚を沿わせているので。
葛藤、矛盾、すっと冷える感情…
川の水面のように、ぐらぐらと揺れ続けました。

どの人を見ても、それぞれ同じ何かしらが、私の中にあるな。って。

私があえて目を背ける痛みや、自己欺瞞、
あたりまえだよねって流してきた物事が、繊細に丁寧に編みこまれている。
強固にほどけない、世界の編み目。

だけど、だからこそ、
ほんのりとあたたかさが残るのも、また事実で。

私の隣を歩く誰かが、いてくれる。
そのことが、純然たる希望になりました。

私は。私が。が、感想にあふれるほどに、
そこかしこで「ああ、これは私だ」って思う物語。

私は、彼らと一緒に、願いたいです。
「あなたの明日が、よい日でありますように」。

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