以前の仕事で、お料理がとても上手なおばあちゃんにお会いしました。
私にとっては時間のかかるイメージだった煮物も、だしと甘味で煮込んで、最後に醤油で味を整えて、ささっと作ります。
お味噌汁は、大胆に煮干しを掴み入れてだしを取り、おいしそうな匂いを漂わせながら、風味よく仕上げます。
中でも、卵焼きを作る姿が印象的でした。
使い込んだ卵焼き用の小さなフライパンに、多めの油を熱して。
溶きほぐした卵3個に味をつけ、熱々のフライパンに、半量ほど流し込みます。
菜箸で、ぱたぱたと巻いていき、残りは2~3度に分けて、同じように。
中身がぎゅっと詰まり、ほどよく焦げ目のついた、これぞ家庭の卵焼き! という逸品が、あっという間に出来上がるのです。
実はそれまで、菜箸だけで卵を巻けなかった私。
くっついたり破れたり、なかなか綺麗にできず、時間もかかるので、敬遠していました。
それが、おばあちゃんの作り方を真似てやってみたら、フライ返しがなくてもくるんと巻けるし、くっつかないし、おまけに早い!
以来、卵焼きを作ることが、面倒ではなくなりました。
今朝も、保育園のお弁当の日だったので、次男用に、小さめの卵焼きを。
仕事ではいろいろなことを学びましたが、今でもいちばん身について役立っているのは、実はこの「卵焼き」かもしれません。
本やインターネットではなく、実際に作っている手を見て覚えるというのは、料理の財産になるんですね。