【エッセイ】おうちのホットケーキ

ホットケーキを、焼きました。

ぶ厚いのを、作ってみたくて。

火をとおす加減がむずかしくて、
外側カリッ、内側どっしり、になりました。

でも、かつてない厚みに焼けましたよ。

こんなのも、買ってみました。

スプレー式の、ホイップクリームです。

えいっ、と押したら、
勢いよくクリームが飛び出して…

山盛りに。

甘さは控えめ、さっぱりと軽い口当たりのクリームで、ペロリと食べてしまいました。

息子がとことこやって来て、
「いつもの薄いほうが、すきだな。」
と言いましたので、

薄めのホットケーキも、焼きました。
昔ながらの、おうちのホットケーキ、な感じの。

パンケーキ、じゃないんですよね。
ホットケーキ。

バターをぬって、
メープルシロップを、たっぷりとかけるのが好きです。

ひとくち齧ったときに、
じゅわん、とシロップが染み出すくらいが、好きです。

特別なお皿やカトラリーはなく、
とっておきの材料もなく、
秘蔵の料理法もなく。

特別な予定もなく、
とっておきの計画もなく、
いつもの延長で、ホットケーキを作ります。

最初はいっしょに、わいわいと焼くのに、
後半はすっかり飽きて、食卓を離れる息子たちも、いつもの風景です。

その変わり映えのなさを、
しあわせと名づけたひとの気持ちが、
わかる年ごろになりました。

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