【エッセイ】いつも幸せそうだったね、と。

訃報をきいたとき、いちばん最初に、
笑顔が浮かぶひとになりたいのです。

なんの因果か、訃報とお見送りが続きました。
純粋に大好きだったひとも、多少のわだかまりをもっていたひとも、
大往生だったひとも、思いがけず早いお迎えだったひとも。

知らせを受けたとき、どのひとも、
いちばん最初に浮かんだのは、笑顔でした。

笑っている顔で、私のなかにいてくれて、
本当によかった。と思いました。

悲しい顔や、嫌な記憶も、ゼロではないひともいました。
近ければ近いほど、いろんな表情を知っているから。

それでも、いちばん最初に浮かんだのが、
笑っている顔だったから、私は嬉しかったのです。

訃報をきいたとき、いちばん最初に、
笑顔が浮かぶひとに、私もなりたい。

「あのひと、いつも不機嫌だったね」
なんて、しかめっつらを思い描かれるのは、いやだなあ。

「あのひと、いつも楽しそうだったね」
「いつも幸せそうだったね」

そんなふうに、ひとの記憶に残るひととして、
生きていきたいと思いました。

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