夜、寝る前のひととき。
おふとんの中で、ぱらりと開きたくなる本がいいな。
そんなに分厚くなくて、ごろんと寝転んだまま持ち上げても、
手が疲れないぐらいの重さがいい。
力を入れなくても、開いたまま持てるような綴じで。
表紙はちょっと厚めの紙で、眠りに落ちる瞬間に、力を抜くと
ぱたり。静かに閉じる本がいい。
夜のちいさな灯りの下で読むと、夜空のように
深い輝きを感じる、綺麗な黒のインクがいいな。
朝、目覚めて、ふと見ると。
夜とはまったくちがった表情の表紙がそこにあって、
おひさまの光で読んだら、文字がほのかに青みがかる。
インクもまた、表情を変える本がいい。
中身は…なにを書こうかな。
眠る前のからだを、ふんわりと包むエッセイもいい。
たゆたう意識を、おぼろげに味わう詩集もいい。
ぐいぐいと惹きこまれて、気がついたら夜が更けてゆく小説もいい。
夜の静かなひとり時間に、心地よくフィットする本を書きたいな。
