月の影 影の海(小野不由美)

ものすごく久しぶりに、読んだ。

特に上巻は、長年の愛読シリーズなのに、一度しか開かなかったな。
あまりに、つらすぎて。
下巻は好きで、何度か読み返したけれども。

改めて読んでも、一般的な十代の女子が期待をふくらませる異世界ファンタジー、ではないなあ。
どこまでも現実で、どこまでも人間で。

だから、いい。
大人になった今のほうが、おもしろく読める。
構築された世界観に、読むたび息をのむ。

ここが好き。あそこがたまらん。
文章が雪崩を起こしそうになるので、一度落ち着こう。

読んでみて、十二国記でわたしが好む人々は、課題の切り分けが上手なのだなと思う。
自分の課題と、他人の課題とを、分けて考え行動できる。
自分の課題に、真摯に向きあって、生きる姿が好き。

文章では、楽俊の「ほたほた」という足音が好き。
陽子の一人称が、「あたし」から「わたし」に変わる瞬間があるのが好き。

ああ、物語がはじまってしまった。
わたしは本から帰ってこられなくなる。

再読にもかかわらず、ほかの積読を差しおいて、読んでしまう吸引力。
なんとか日常生活を送りつつ、続きを読もう。

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