俄然楽しくなってきた、ランチ食べ歩き。
今回は、数年前に一度訪れたきりで、ほとんど記憶になかったフレンチレストランに行ってみました。
まだ小さかった長男を連れて、たまたま入ったお店だったので、当時の私は、味わうどころではなかったのでしょう。
今日はひとり、静かで洒落た雰囲気を味わいながら。
ランチメニューにあった、ビーフカツレツを注文します。
ビーフカツレツといえば、おしゃれな老舗洋食店で出てくるようなイメージで、実は食べたことがありません。
ごはんとみそ汁つき、と書かれていたので、気軽にいただこうと思っていたら…
何これ! おしゃれ!
まず一口食べてみたカツレツが、さっくりと柔らかくジューシーでおいしいのは、言うまでもないのですが。
この、スープカップに入っただけでおしゃれに見える、わかめのみそ汁は反則だ(笑)。
そして、もち麦のごはんがまた、甘みがあっておいしい。
ボリュームのある料理のはずなのですが、油っぽさやしつこさがなくて、さっぱりといただけるお肉でした。
もくもくと口を動かしていると、親ほどの年代の上品なご夫婦が、お店に入ってきました。
店員さんと、常連らしい挨拶を交わしながら、席につきます。
聞くともなく聞いていたら、何とこのお店、まもなく閉店して、京都市内に移転するのだそうです。
この場所にお店を開いて、今年がちょうど20年の節目とのこと。
ご夫婦の旦那様の方は、開店当時に、職場の後輩を連れて食べに来たのだとか。
「そうですか、寂しくなるなあ。このへんで、おいしい洋食が食べられるお店は、なかなかないのでね」
感慨深げに、「また移転したら食べに行きますよ」と話すご夫婦が、とても素敵でした。
私もこんなふうに、お気に入りのお店と歳を重ねてみたいなあ。
お腹だけでなく、心も優雅なひとときになりました。