「お母さんのためのアンガーマネジメント入門」です。
第1章に書かれている、「怒ってしまう自分」を持てあまし、悩んでいるお母さん。
よくわかります、わかりすぎます。
感情的に怒鳴ってもメリットがないことは、頭ではわかっている。
人の話として見聞きすれば、大したことではないし、そんなに怒る必要もないと思える。
もちろん我が子に対しても、笑って受け流せることもあるし、いつも怒っているわけではない。
けれど、それがどうしてもできない日もある。
ひとりになって落ち着きたくても、子どもがそれを許してくれない。逃げ場がない。
「抑えようと思っても、カッとなって沸点を超えてしまう瞬間」がある。
思わず怒鳴りつけ、そしてあとで後悔する…。
そんなくり返しが嫌で、手に取りました。
何とかしたいんです。できる日もあるんです。
いつもはわかっているし、自分の心身も、普段から整えるようにしているし。
だけど、どうしてもだめな瞬間を、乗り切りたい。
私のようなお母さんには、ぜひ読んでほしいと思いました。
「お母さん」に特化したアンガーマネジメント
育児中のお母さんに向けて書かれているので、わかりやすくて共感できますし、実践しやすい内容です。
まずは怒りという感情の正体を知り、コントロールしていく方法や、いざ叱るときの方法を学んでいきます。
「衝動的な怒りは、6秒で収まる」とは、よく聞く話ですが、その6秒をやり過ごすことの難しさといったら!
でも、怒りの仕組みを理解し、日頃から怒りを溜めない環境を整え、いざという6秒の対応策を知ることで、私にもできるかもしれないと思えました。
心に響くところはたくさんあったのですが、まずは、思わず怒鳴ってしまいそうな自分にブレーキをかけたくて。
一部を紙に書いて、目につく場所に貼ってみました。
目指すところは、「親子でハッピー」です。
無意識の善悪
今回、読んでみてわかったのですが。
私は「怒り=悪いこと」と、無意識に感じていたんですね。
人からぶつけられたら嫌な感情だし、自分も持っていて気持ちのいいものではないから。
怒らず、笑顔でいるのがよいことだと思っていました。
表現方法としては、必ずしも間違いではないのだろうけれど、私は「怒っている自分自身」を、今まで受け入れてあげられなかったのです。
でも、そうではなくて。
抑えつけるのではなく、「上手ににつきあっていく」ととらえましょう。
怒りは感じるがまま受けとめますが、今まで条件反射になっていたものを少し見直して、変えられるところを変えていく。後悔しない怒り方をする。
怒りをどう受けとめ、どう表現するか。
感情に振り回されるのではなく、そのハンドルをしっかりと自分で握るのです。
こういうことなんですよね。
先日の講演会でも聞いた「あるがまま」ということ。
今まで生きてきて、最近ようやく、周りに合わせるばかりでなく、もっと自分を大切にしてあげたらよいのだと、わかり始めたところですが。
それは、自分の希望や喜びといったポジティブなものだけではなく、ネガティブと言われる感情でさえも、同じ。
表現方法に気を遣うことは大事だけれど、「私はこう感じた、思った」事実は、抑えつけてはいけないな、と気づかされました。
自分の主役は自分
先ほどの引用にもありましたが、
他人の感情・評価・態度によって、自分の感情がころころ変わるのは、自分の感情のハンドルを他人に委ねているということだ。
作中には、そんな言葉が何度か出てきます。
協調する、ということと、人にあわせて自分の喜びを見失う、ということは違います。
自分の感情のハンドルはしっかりと自分で握りましょう。
いろいろな学びのある1冊でしたが、これがいちばん好きな一節で、忘れたくない言葉です。
気持ちは自分で選べるんですよね。
私のハンドルは、私が握ります!