旦那さんが不在の夜、次男が胃腸風邪にかかり、私はつきっきりで看病しなければならなくなりました。
とても子ども3人は見られない状態でしたが。
普段は学校に行けない長女が、朝早くから長男を起こし、朝食をとらせてくれました。
きっと「私が頑張らなくちゃ」と、持ち前の強い責任感を発揮してくれたのでしょう。
「お母さんは休んでて」
そう言い置いて、しんどいはずの集団登校へと、長男を連れて家を出て行きました。
さらに、その夜。
次男のお世話をしながら、嘔吐処理のため、1日中洗濯していたので、寝不足で疲れがたまっていました。
その日最後の洗濯機を回しながら、少しだけ休憩…と座ったら、まさかの寝落ち!
しまった! まだ洗濯物干してない!
ハッと目覚めて地獄に落ちた心境の私。
その目に映ったのは、部屋を整え、長男と寝る支度をすませた娘の姿でした。
「あ、洗濯物、干したから」
事もなげに言う長女の後ろには、綺麗にシワが伸ばされ、等間隔で干された洗濯物が並んでいるではありませんか!
――何これ、神様ですか!?
家事が終わって、部屋も片づいて、私もう寝ればいいだけ?
一気に天まで昇るような心地。
「お母さんのやり方とは違うかもしれないけどね」
思春期に入った娘は、照れ隠しのためか、突き放すように言うのですが…
実際のところ、私の日々のやり方を、丁寧になぞってくれていて。
旦那さんより完璧な仕上がりで、私は「自分がしていないのに、自分の思った通りになっている」という、魔法のような体験をさせてもらいました。
それはもう、本当に涙が出るほどありがたくて。
後光がさして見えました(笑)。
ちなみに、後日談です。
長女が、その話をデイサービスでしていて、自分がしたことを、
「いつか一人暮らしをするかもしれないし、必ず将来の自分のためになると思う」
そんなふうに、言っていたそうです。
もはや仏の域!
私から生まれた子とは思えないほど、立派な娘なのでした。
心から、ありがとう。無理だけは、しすぎないでね。