一杯のスープ

体も、心も、慌ただしい日が続きました。

ふとできた空き時間に、いつものカフェで、いつものランチを食べることにしました。

風の冷たい日。

かじかんだ手と手を合わせていると、スープが運ばれてきました。

「かぶのスープです」

と置かれたカップの中には、とろみのある、かぶのポタージュ。

手を温めるようにカップを持ち、一口飲みました。

優しい味わいが、とろりと口に広がり、喉を通って、体を満たしていきます。

スープが染みて、涙が出そうになって、

「ああ、私、思っているよりしんどかったんだ」

と、気がつきました。

空き時間をいっぱいまで使って、温かい食事をゆっくりと食べ、お茶を飲みました。

この一杯のスープが人生を変えた! とか、そういうのではないですが。

限界を迎える前に、自分の状態に気がつけたこと。

温かいスープと、緩やかな時間が、確実に私を癒してくれていること。

それが本当に嬉しくて、ありがたくて。

誰にともなく、感謝の気持ちに包まれた、お昼どきとなりました。

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