どうやら、辻村深月さんの小説は、中学生が主人公の方が、娘の好みらしいと気がつきました。
やっぱり、身近に感じられるからでしょうか。
今回は、高校生ですが、学生つながりで買ってみました。
確かに、主人公たちは高校生なのですが、その周りにいる大人と、地方の村の風景とが、あまりに鮮やかで、惹かれました。
何となく、私の住む地域とも似ています。
田舎の風景。
良くも悪くも、お世話好きで強い、おばちゃんたち。
昔からこの地にいる人と、新しくやってきた人と。
それぞれが、それぞれの生き方で、島に暮らしたり、島を旅立ったりしていく。
嫁いできて、ここで生きるんだと決めた、いつかの自分を思い出します。
今でこそ、ずいぶんなじみましたし、自分なりのコミュニティもありますが、当時は本当に大変だったし、必死でした。
人と人との繋がりが密な土地で暮らすというのは、まさに描かれているとおりの人間模様です。
一長一短ある田舎町の暮らしで、我が子たちが、この主人公たちのように、伸びやかに育ってくれたら嬉しいな、と思いました。
ずっと読み進めていて、現状の中で生きていく人々に、共感していましたが。
最後に、大人になった衣花が朱里を迎えるところが、何よりよかったです。
子どもたちの未来は、きっと明るいと、信じられるようなお話でした。