タイトルの下にあるダフネさんの写真が、確かに美しい。
上品なのだけれど、目の輝きがとても強くて、「素敵なおばあさま」といった印象です。
88歳の現役モデルの方に、
「美しさは心に宿るもの」
「健康な心こそ、美しさへの一番の近道」
と、きっぱり言われると、ものすごい説得力。
美しさは外見だけではない、という価値観を、上滑りの言葉や気休めではなく、心から受け入れることができます。
感謝と、ありのままの自分を好きでいる気持ちが根底にあって。
好奇心と、笑顔と、正しい姿勢があれば、誰もがとびきり美しくいられるのじゃないかな、と思わせてくれました。
私のおばあちゃん
読み終えて、再び表紙を眺めたとき、ダフネさんの顔が祖母と重なりました。
大好きだった、 今は亡き母方の祖母。
いちばん可愛がってもらって、たくさん遊んでもらって。
泊まりに行くたび、寝る前には昔話をしてもらって、家業だった仕出しの配達なんかにも連れていってもらって。
歳をとって物忘れが増え、たくさんいる孫の名前が出てこなくなっても、私の名前だけは、いつも間違えずに呼んでくれていました。
大人になってからは、住まいが遠くなったこともあり、たまにしか会わなかったけれど…もっと話しておけばよかったと、今でも思います。
たくさんの苦労を重ねてきたと、人づてに聞きましたが、いつも穏やかに笑っていた祖母。
ダフネさんのように行動的な晩年を過ごしたわけでもないし、生粋の日本人で、西洋的な美しさがあったわけでもありません。
だけど確かに、目に宿る輝きは、写真のダフネさんと同じ。
特別おしゃれをしていたわけではないけれど、皺のある顔も、白髪の頭も、とても綺麗なまま、生涯を終えました。
ダフネさんは、次のように言います。
いまの私には、シワもあればシミもあります。でも、二十代の頃より楽しく暮らしています。
それはきっと、ありのままの自分を愛しているからでしょう。
美しさは心に宿るものです。
だから、いつもわくわくすることを心に思い描いて、きらきらした目で世界を見続けていれば、その心の輝きは顔に表れる。
これは、きっと、祖母の生きざまでもあったのではないかと。
ちょっぴり特別に思えるダフネさんだけでなく、身近にも、そんなふうにあるがままに美しく生きた人がいたのです。
その事実が、何よりも私を勇気づけてくれます。