さっそく読んでみました、「眠れないとき」の処方本。
三宅さんによると、
小川洋子は、「読んでると眠りに落ちる精神状態に近いところまで連れて行ってくれる作家」なのだ。
とのことでしたが、なるほど。
読んでいて、現実と物語の境目が曖昧になっていくのと。
どんな主人公でも、自分事のようにすんなりと流れになじむところが、確かに夢に近いですね。
私は「海」よりも、「缶入りドロップ」「ひよこトラック」が好みでした。
ちょっとだけ切り取った誰かの人生が、静かな感動を呼び起こしてくれる。
水面に波紋が広がっていくみたいに、じんわりと体に染みていく感じが、心地よかったです。