本を守ろうとする猫の話(夏川草介)

読んだら、予想と違う泣き方をした。

本が好きなんだね。
うん、本が好きなんだ。

私のなかで、何度も響きあう声を聴く。
あなたも。本が好きなんだね。

「本」と「猫」で、ほっこりする話なのかな。
そんなイメージで読み始めたら、全然違ってた。

本へのひたむきな愛が、繊細にむきだしになって、
私の内側も、一緒にむきだしになったみたいで、涙がとまらなかった。

おじいさんの言葉の、ひとつひとつが好き。
ああ、本を愛するひとの言葉だ。
本の力を、言葉にしてくれるひとだ。って。

どの迷宮の主も、ややこしくてひねくれてて、
まるで大人になったばかりの私みたいだけど。

本が好きなんだねえ。
すべての迷宮に、愛おしさしか感じなかった。

だから、四章で描かれていた、迷宮の主たちの変化も、
いちいち愛おしくてたまらなかった。

なんだこれ。
物語の展開に、感動して泣くのとは違う。

こんなにもたくさんの「本が好き」が、
ここにあることが、嬉しくて尊くて、泣いた。

ああ、おもしろかった。
本が好きだ。

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