自分の小さな「箱」から脱出する方法(アービンジャー・インスティチュート)

お友達がおすすめしていて興味を惹かれた1冊。

すごくおもしろかったです!

翻訳本は、それ独特の文体があって、あまり読みやすい印象はなかったのですが。

こちらは物語形式なので、主人公トムが受ける「ミーティング」を、そのまま追体験することができて、概念的にも具体的にもわかりやすい。

ビジネス書の“漫画でわかる”版みたいなイメージですね。

私に合っていたのが、すべての問題を「箱」から紐解いているところです。

たくさんの知識や根拠が必要な学問は、複雑で難しく感じるのだけれど、要するに根っこはこれ! とシンプルに伝えてくれるから、まっすぐ頭に入ってきます。

で、この“箱に入っている”“箱から出る”というのが、心屋仁之助さんの「心のあり方を変える」「前提を変える」感覚に似ているな、と思いました。

書かれていることをやってみると、外見は同じ状態でも、内面では「自分が変わると世界が変わる」を、劇的に体感できる。

認知行動療法にも近いかな。

こちらを読んでみて変わったのは、普段の生活で「でも」「だって」という気持ちが浮かぶとき、自己正当化したがっている自分がいる、と意識できたところ。

気がつければ、いま箱の中にいない? 自分を裏切らなかった? と自問することができるので、負の感情に引きずられにくくなります。

また、私はいわゆる“田舎の長男の嫁”で、親族関係が難しかったり、望まぬ責任を負ったりと、小さなストレスがたまりやすい日々でもあります。

そのときも、相手に対して、私は箱に入っていないかな? と一呼吸おけるので、ストレス対策にもなることがわかりました。

そして、箱の外にいる感覚がわかると、自分の心が解放されて、自由でフラットな感じがするんです。

「自分も相手も、同じ人間」として行動できる状態だから、アサーションに近いものもあるのかも。

今までは、ストレングスファインダーで出た“共感性”も、強みにできていない気がしていたけれど、それは私が箱の中にいたから、とも言えますね。

本文中の、

「もっとも優れた自己正当化イメージは、同時に、箱の外にいさえすれば、すばらしい性格になる類のものなんだ」

って、きっとこういうことなんだろうな、と。

何より素敵なのが、最後の「知っておくべきこと」と、「知ったことに即して生きること」!

ミーティングの締めくくりに、トムにかけられた、この言葉。

「生兵法はけがのもと。今まで話してきたことだって、人を責める道具として利用できるわけで、これを知ったからといって、箱の外に出られるわけじゃない。

学んだことを他の人に当てはめて、他人を評価しているあいだは、学んだことに即して生きているとはいえない」

ここが、すごく大事だな、と思っていて。

私は知識を得ると、つい自分だけでなく、他人に対しても理解が深まったように感じて、

「この人はこうだからなー」

と、分析したり、レッテルを貼ったりしがちです。

でも、「箱の外にい続けようとする」というのは、そうじゃない。

私たちはみんな、ときには箱の中に入ってしまうし、いつだってある程度は箱の中に足をつっこんでいる。

そんな自分が、“知識”を“知恵”に落とし込んで、よりよく生きようとする「進化の意志」を持つことが大切なんだろうな、と。

「さあ、私はどう生きる?」と、自分に問い続けて、向き合っていきたいです。

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