マンガでやさしくわかるアサーション(平木典子)

「アサーション」とは、「自分も相手も大切にする自己表現」という意味なのだそうです。

アサーションという言葉は、アメリカで生まれたコミュニケーションの考え方と方法で、なんと日本語には同じ意味を表す言葉がないのだとか!

自分の思いを伝えることができず、生きにくさを感じていた主人公が、爽やかに成長していくストーリーに乗せて、解説が進んでいきます。

アサーションとは何か、というところから始まり、まずは具体的な基礎知識から。

自己表現には、以下の3つのタイプがあるとのことで。

  1. 非主張的自己表現
  2. 攻撃的自己表現
  3. アサーティブな自己表現

この分類だけで、ぐさりと刺された気分でした。

私は義家族やご近所さんに対しては、実に非主張的自己表現です。

でも、子どもには、攻撃的自己表現になってしまうときもある。

それはあまりに自分勝手すぎるコミュニケーションです…これはいけません。

目指せアサーティブ!

読み進めるほどに、刺さるを越えて、もはや抉られる心当たりしかなかったのですが…。

特に響いたところを挙げると、

【アサーションに必要なのは、自己信頼】

自信(自己信頼)は、自分ができることは実行し、できないことを認めて助けを得ることから培われます。

【思い込み】

考え方は自分で変えることができ、変えていいのです。

自分の意見・考えや気持ちは自分のものです。

そして、それを変える権利も自分が持っているのです。

【アサーションの実践】

新しい言動を身につけるには、心がけと訓練が必要なのです。

そうして、

【心の解放】

周囲の期待や上司の機嫌を気にして自分の本心を抑えることにエネルギーを使わなくなると、そのエネルギーはより積極的な動きに使われるようになります。

この状態になった自分を想像したとき、あまりにも自由で軽やかで。

同時に、そこへ至るまでの対立が大きな恐怖で、涙が出そうになりました。

そのとき頭の中で繋がったのは、これは心屋さんの言う、

「好きなことをして生きていくためには、一番好きじゃないことをやる必要がある」という最後の扉

なのだ、ということ。

最後の扉を開ける勇気を出すために、この一節を、心に刻みたいと思います。

アサーションは、葛藤や対立をケンカやもの別れにしないコミュニケーションの方法ではありますが、「違い」を同じにするための説得法や同じ行動をとるための操作法にはなりません。

違いをわかり合うことで視野が広がったり、違った考え方や気持ちに触れて、思いやりや感動が生まれることはありますが、だからと言って互いが同じ意見になって、同じ行動をすることを目指しているわけでもありません。

わかり合うのを面倒がっていたり、どちらかが間違いだとこだわっていたりすると、「葛藤」は嫌悪の対象になり、「違い」は敵意になりかねません。

アサーションは、むしろ、わかり合うことが必要なときにきちんと話し合うための考え方と方法であり、大げさに言えば世界平和のための私たちの足もとからの関わりづくりです。

「私の一歩が、世界平和に繋がる」

そう思うと、今より少しだけ、強くなれる気がします。

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