木曜日にはココアを(青山美智子)

連作短編は、大好物です。

12編の物語は、どれもあったかくて。

ひとつ読み終えるたび、ほっこりします。

少しずつ繋がっている物語の、裏側や向こう側に思いを馳せて、ほろりとして。

優しくて、幸せな気持ちで満たされていきました。

まさに、ホットココアのような。

感動の大波とはちょっと違うのだけれど、心を小さく震わせ続ける音楽のような。

それぞれの物語を繋げて追うことで、表紙の「わたしたちは、知らないうちに誰かを救っている――」という言葉が実感できます。

私は、今生きている自分の物語以外では、どんな登場人物になっているのかはわかりません。

けれども、きっと誰かの救いになっていることもある…。

そう思えることが、自身の救いにもなります。

木曜日に「木曜日」を読み終える、素敵な読書でした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする