「のび太」くんシリーズの2冊目です。
前作同様、子どもから大人まで、読みやすい本ですね。
のび太のさまざまな言葉に焦点を当てて、そこから得られる生き方・考え方のヒントが綴られています。
著者は、のび太を「人生を上手く生きる天才」だと言っていますが、読んでみれば、なるほど! と納得です。
自分の感情に素直で、優しい。
私たちがつい取り繕おうとしてしまうような、いいところもダメなところも見せてくれるから、いちばん人間らしい魅力を感じます。
好きを極める
著者の横山さんは、「ドラえもん学」を提唱されるほど、作品の魅力にとりつかれた方です。
これが教授でなく子どもならば、「また漫画ばかり…」と顔をしかめられそうですが。
彼の並々ならぬ情熱が、データベースを作り上げ、本になり、たくさんの人に喜びや楽しさを与えています。
もしも我が子が、そんなふうに熱中していたら、「漫画ばかり読んでいないで、勉強しなさい! 宿題は終わったの?」とは、決して言わずに。
いつまでも蟻の行列を眺めるエジソンを見守った母のように、「好き」の力を伸ばしたい。
横山さんのように、好きなことを極められたら、素敵ですよね。
…と思ってはいるのですが、実際にゲームに夢中になり、宿題をほったらかしている我が子は?
ただ漫然とやっているのか、好きで好きでたまらなくて熱中しているのか、今ひとつわかりかねています。
結局、中途半端な関わり方になってしまいがちだけれど。
のび太くんなら、そんな親としての私も丸ごと、「まあ、いいじゃないか」と受け入れてもらえるような気さえするのです。
それが、のび太くんの魅力なのだろうな、と思います。