片づけの格言集です。
著者が「はじめに」で語る、
片づけや整理整頓の本をいろいろと読んだけれど
実際に暮らしの中で思い出すのは
ラベリングや仕分けなどのこまかな整理整頓術よりも
心に深く刺さった、一冊の中のたった一言や一文でした。
これ、本当にそうなんですよね。
人生に悩んだり落ち込んだりしたときなんか、まさに。
立ち直るプロセスを丁寧に解説してもらった心理学の本の内容ではなく、いつかどこかで目にしたひとつの言葉や台詞が、いつも私を支えてくれています。
片づけの力になるのも、印象に残るたった一言なんですね。
で、じゃあ今の私に刺さった言葉はというと。
知り合いに会いたくない服は着ない。持たない。
今日の服が妥協でも
そこから印象はつくられて
そのうち、それがセンスになる。
妥協しても、必ずまた欲しくなる。
「これでいっか」の精神が
物の量を増やし、質を下げる。
物の量が、家事の量。
物が増えると、人は疲れる。
――並べてみると、物を捨てる・減らすよりも、暮らしの質を上げる内容のようです。
高級品を使うというのではなくて、自分にとって心地よくていいものを選んでいく段階にいるということ。
何が響くかで、自分の心がよくわかる。
本当に、言葉っておもしろいです。
これは、片づけの本ではありますが。
「片づけたい」は「変わりたい」だと思う。
(中略)
使わないペン1本を減らしたところで
その瞬間から劇的に暮らしが良くなることはないけれど
その使わないペン1本さえも減らせない人とその暮らしは、一生変わらない。
理想の暮らしや、なりたい自分は
そんな小さな選択を積み重ねた、その先にしかないのです。
変わろうとする、理想に向かおうとする人の背中を、力強く押してくれる1冊でもありました。