自分とか、ないから。(しんめいP)

SNSに広告が流れてきて、気になっていた本。

【自分とか、ないから。(しんめいP)】

とはいえ、東洋哲学か…読めるかな。

読みたい本リストに入れたまま、しばし見送っていたのですが。

わだふみさんに「2024年のオススメ本」と推していただいて、

そりゃもう、ぜひ読みたいじゃないか…!

ということで、購入しました。

――いや、ものすごい読みやすかった!

語り口調で、ひらがな多めで、ゆるい言葉を選んでいる。

不真面目なツッコミを、真面目に入れてくれる。

哲学者のひとりひとりに、ぶっ飛んだエピソードがあって、思わず笑っちゃう。

東洋哲学の中身を、自身の体験とあわせながら、わかりやすい物語として説明してくれる。

読んで楽しい論理的な文章を、スナック菓子みたいな軽さに書けるひとって、すごいと思う。

私ひとりでは、まず手を出さないであろう分野をつまみ食いさせてもらえる、楽しい一冊です。

東洋哲学の、試食職人の技を、目の当たりにした感!

どこもおもしろかったのだけれど、私が読んで、

「なるほどねー!」と唸ったポイント・ベスト3を挙げるならば、こちら。

《第3位:東洋哲学は、とにかく楽になるための哲学》

東洋哲学は、基本的に「どう生きればいいか」がテーマで、

「答え」のあるものなのだそうです。

昔、社会科で習った西洋哲学のように、

迷宮をぐるぐる進む感覚とは、違うんだなあ…って思いました。

《第2位:言葉の魔法》

2章の、龍樹の哲学で語られるところ。

ディズニーの例えが、めちゃくちゃわかりやすい!

《第1位:言葉を捨てろ、の説明》

4章の、達磨の哲学のところ。

龍樹のあとに、これを見て「…うん!」って、体感で納得してしまった。

楽しかった!

そして、確かに「楽になった」。

“この本は、「哲学エッセイ」です”

著者の言葉どおりに、堪能した一冊でした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする