私が文章を書くとき

書きたいなと思うものやことは、ふっと心に留まります。

ひとつの言葉だったり、書き出しの一文だったり、語りかけだったり、形はいろいろです。

共通しているのは、どれも小さなかけらだということ。

それを種にたとえるなら、大切に埋めて育て芽吹きを待ち、葉や蕾を観察しながら、いちばん綺麗に花開くように調整していきます。

雫にたとえるなら、水面に落ちる音を聞き漏らさないように耳をすませて、波紋が生まれて消えるまで、じっと見つめます。

粒子にたとえるなら、神様のように構成物質を入れ替え並べ替え、美しい結晶を作ってゆきます。

心に生まれた言葉のかけらが、さまざまに形を変えて、完成された文章が組み上がっていくのです。

小さなかけらを文章に育てるには、気を散らさない環境が必要です。

ピースを並べるための心の余白を作る、時間の余裕と。

組み上げていく思考を妨げられない、静かな空間と。

本当にひとりで集中できるひとときが、文章を書くときには、欲しいです。

子どもたちがそばでにぎやかに遊んでいる週末を過ごして、いっそう実感しました(笑)。

もうすぐやってくる春休みの間は、どんなふうに書くことと向き合っていこうかな。

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