長男とデートしたときに買った本です。
佐々木正美さんの書籍は、よく見かけます。
言葉のひとつひとつがじんわりとしみ入るような、親も子も温かいまなざしで見守られている気持ちになります。
いま、基本に返る理由
あえて子育ての基本を選んだのは、読みたい言葉があったからなのですが。
実は、もうひとつ理由がありました。
てぃ先生の本を読んだときに、「この幼児向けのスゴ技そのものは、もう小中学生には使えないだろうな」と思ったんですね。
ところが、その中のひとつ、
- 話す前に「今からお話するね」と、“話を聞く準備ができたかの確認”をする
- 子どもにとって「話を聞く」と「話を理解する」はまったくの別物なので、「ちゃんとお話聞いて!」ではなく、「名前を呼んでから話す」
これ、中2女子と小4男子にも、効果があったんです。
考えてみればあたり前のことで…親の都合で、思い立った瞬間に「ねえ、連絡帳出して!」「ごはんだよー」と言われても、遊びに夢中だったら返事するわけがない。
「○○くん、今からお話ししまーす」「○○ちゃん、しゃべってもいいかな?」
そう声をかけると、遊びながらも意識をこちらに向けてくれるんです。
とりとめなく話しかけても生返事の旦那さんだって、「ちょっと聞いてほしいんだけど」と前置きすると、きちんと聞く姿勢になります。
かける言葉は年齢によって違っても、働きかけそのものは変わらないんだ!
スゴ技そのままは使えなくても、その仕組みは応用できるんだ!
と気づいたので、子育ての基本を、今改めて学びたいなと思ったのです。
母性性と父性性
この本は、乳幼児期についての項目はもちろん、思春期や親離れの時期のお話もあり、幅広い年代の親に寄り添ってくれます。
佐々木先生の100の言葉がすごいのは、読みながら我が子を思い浮かべると、中学生の長女から年長さんの次男まで、どの子に対してもしっくりくること。
それだけ普遍的な、子育ての基本姿勢だということですね。
読んでみていちばんに感じたのは、「初心を忘れていたな」ということでした。
生まれたばかりの乳児期、親を100%信頼して弾けるように笑う2〜3歳頃には、「大好き!」「可愛いね!」と、無条件に愛の言葉をたくさんかけていました。
保育園に入るあたりから、「それはだめだよ」「こうしようね」という、しつけの言葉が増えてきます。
小学生になると、言葉だけで会話が通じるようになり、中学生では対等になる一方で衝突が増え、大人相手のようなコミュニケーションスタイルに変わり。
もちろん、しつけは過剰でなければ子育てに必要なことですし、いつまでも赤ちゃん言葉で語りかけるわけにはいきません。
それでもやっぱり、どの年頃の子どもに対しても、無条件の愛の言葉を減らしてはいけないんです。
佐々木先生は、このように語っています。
子どもを丸ごと抱きしめる「母性性」
社会で生きていく力を養う「父性性」
このふたつの力がなければ家庭は子どもをちゃんと育てることができにくいのです。
そしてとても重要なことは、バランスではなく、順序が大切だということです。
母性性が子どもに十分働いた後でなければ、父性性を受け入れることができないのです。
気がつけば、母性性の「そのままでいいんだよ」を伝える数が減り、父性性の「大きくなればこういうふうにしなくてはいけないんだよ」が増えていました。
よく「身近な人にこそ『ありがとう』を伝えよう」などと言われますが、本当にそれと同じ。
近しい我が子だからこそ、土台の愛情を込めた言葉を忘れずに、これからも向き合いたいと思います。