【ぼけ日和(矢部太郎)】
「大家さんと僕」の、ほっこりしんみりした味わいが気に入って以来、見かけると読ませていただいています。
今回は認知症のお話で、ちょうど家族が抱えている問題ということもあり、勉強半分エンタメ半分で開きました。
すごく穏やかで、すごく苦しくなる物語でした。
素敵なお話で、ものすごくためになるのだけれど、いま認知症の家族に向き合う私の心が、とてもそこに行き着けないからだと思います。
認知症の影響だとわかっていても、攻撃的な状況が続くと、自分と子どもの心を守るので精いっぱいになり。
相手の心のことまでを、大事に考えて、守ってあげられるだけの余裕がないんです。
たぶん、今まで積み重ねた関係性も、大きな理由でしょうし。
これが別の相手だったら、また私の心も違ってくるのだろうという気はします。
優しくて穏やかな世界を望むからこそ、いま絶望的に届かない場所にいることに、身が引き裂かれるような思いになります。
それでも私は、少しずつでも、できることをするしかない。
なるべく悔いなく、天寿を全うしてもらいたい気持ちもあります。
いつかこの本の世界に届くようにと願いながら、認知症を知り、理解するしかないし、前に進むしかない。
だから、思い詰めそうになったときは「なんとかなるよ。大丈夫だよ」と、自分に言ってあげることにしています。
うんと変顔を作って、子どもたちを笑わせにいくのも、なかなか効果的。
意味のないことで一緒に大笑いしているうちに、また明日も楽しもう、と思えるようになります。
でも、素敵な本だったんです!
いつか家族の状況が変わったときに、もう一度読んだら、違う感想になるんだろうなあ。
それまでもうしばらく、踏ん張ってみます。
#何事も経験
#未来は常に楽しみがいい!