質素であることは、自由であること(有川真由美)

ムヒカ前大統領婦人であるルシアさんに、著者がインタビューした内容を、まとめた本です。

「世界一質素な大統領」の話は、聞いたことがありました。

ミニマリズムや持たない暮らしに興味を持ち始めた頃で、純粋に、すごい夫婦だな、と思った覚えがあります。

ふたりセットでのイメージが強かったので、ルシアさん個人のことは、まったく知りませんでした。

この本でも、彼女のことは「日本ではほとんど報道されない」と書かれていたぐらいですし、意識しないと知ることができないのでしょう。

けれども、彼女の生き方が綴られたこの本は、予想以上に重みのある1冊でした。

3回読みましたが、たぶんまだ、落とし込めていない。

そのぐらい深く、またどこに重点を置けばいいのかわからないほどに密度の濃い内容です。

目をそらさないこと

昔の私は、狭い世界しか知らなくて、自分がこうだと思ったことは、正しいと信じていて。

自分の選ぶ道、進む道には、疑いを持ちませんでした。

今は逆に、世界の広さや深さを知って、はっきりと何かを選んだり、決めたりすることに、少し躊躇します。

それまでは「親がこうしていたから」「先生がそう教えたから」「みんながこうだから」だったものが、絶対ではないと知ったので。

じゃあ、私は何を選び、どんなふうに生きるのか。

ひとつずつ鎧を剥がして、自分に正直になっている途中過程なのだと思います。

自分自身で、決める。生きる。

その命題が、本を開いたら、深い愛情とともに、目の前に置かれました。

もう見ないでいることはできない。

だから、私にとって、すごく重みのある本だったのですね。

ルシアさんの言葉

忘れたくないので、覚え書きしておこうと思います。

どんな人でも、どんな場所でも、

かならず生きる意味を見つけられる

生きる意味とは自分のやりたいこと。
やっていることを愛していれば、
疲れることはない

みんなの平和が得られるか

わからないけれども、

けっして希望を捨てないことが

大切です

問題に目を背けてばかりいると、
物事はいい方向には進まない

スーパーで人生は買えない。

ですからその人生を

できるだけいいものにしなきゃ

一人じゃなくて誰かといることが大切。
そこで、どれだけ譲らないといけないか学べる

家族やパートナーと

一緒にいることが大事です。

お互いに尊敬の気持ちを持ってね

「自分のことを考えてくれる人がいる」
それだけで人は生きていける

まずは自分がどんな人間であるか

知らなければいけなくて、

そして自分に

正直でなければならない

私たちは、自分に与えられたカードで
じゅうぶん人世を闘っていけるし、
じゅうぶんゲームを楽しめる

この世界から逝ってしまうときに、

財産を貯めたって、

なんの意味があるの?

でも満足はもっていけるでしょ

自分の生きる意味が
人を幸せにすることを実感できたなら、
自分の命はよろこびで輝く

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