かがみの孤城(辻村深月)

本屋で平積みになっていて、物語の最初の2ページをぱらっと読んで、買うことに決めました。

冒頭で、主人公のこころが思い描く夢。私にも、覚えがあったからです。

傍から見たら、いじめではないかもしれないけれど、根本的に世界が違っていて、追い詰められる感覚にも。

共感する感情は、たくさんありました。

でも、私にとって、この物語のいちばんの魅力は、そこではなく、読後感でした。

本を閉じても生きている

ラストに向かっていくところは、夢中で読みました。

いつもなら「あー、おもしろかった!」と本を閉じて、一息。

私は現実に戻ります。

そちらの世界に戻るのは、また次に本を開くときです。

けれど今回は、読み終わったあとも、登場人物全員が、頭の中でぴょんぴょん跳ねている感じ。

昨日会った友達の姿が浮かぶように、くるくるとシーンが再生され、彼らがあたり前のように動いているのです。

現実世界で、生きている人間であるかのように。

この本が、たまたま私に深く食い込んだからなのか、久しぶりに長編をじっくり読んだからなのか、わかりませんが。

本を閉じたあとも、こんなに「動く」物語は、めずらしいなと思います。

深くて濃い感覚を味わう読書になりました。

娘にも薦めてみましたが、読んでくれるかな?

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