【詩】冬支度
このあいだまでさくらが咲いたあの場所は 気がつけばみずみずしい新緑に包まれ いつのまにかつややかな落葉にかこまれ いまは...
このあいだまでさくらが咲いたあの場所は 気がつけばみずみずしい新緑に包まれ いつのまにかつややかな落葉にかこまれ いまは...
うるんだ風が吹きぬけた。 智恵子ががりりと噛んだレモンのように、 みずみずしい秋をたぷり、と満たした風だった。 おおきく...
言われてもいない言葉があたまのなかでぐるぐると響いている ひとり 勝手に落ち込んでしまうさびしい夜も わたしのことを嫌いになり...
物語には手ざわりがある さらさらと肌をながれてゆくもの ごつ、と重くのしかかるもの ころころと弾んでまわるもの わ...
夜明けの雨のちいさな雫を つゆくさが抱いていた わたしの内のちいさな光は 今もここにあるのです
あなたを送り出そうと決めました わたしがどうであれ あなたのゆく道のりは変わらない わたしはわたしのために あなた...
積ん読を数える秋の真夜中に 星屑のような言葉たちを知る
もしも わたしが水だったなら さまざまに形を変えいつも どんなときもあなたとともにいて あなたの生きる糧となりなくてはならぬも...
大人だったころの話をしようか。 ひとは老いると子どもに近づくのだという。 背中がまあるくちいさくなったばあちゃんは 子ど...
夏の終わりの匂いがした 秋のはじまり でなく夏の終わりの匂いだった 季節はゆるやかに連なり終わりは次のはじまりのはずなのに ...