【ハッピーライティングマラソン#7】語れなくても、感じることはできる。「あなたが20代に読んで、感動した本はなんですか?」

私たちは、息をして、生きている。

その呼吸について、仔細に語れと言われたとき、

内臓の動きや血の流れる音を、つぶさに描写できる人は、少ないのではないかと思う。

息をすることが、あたり前すぎて。

日本橋ヨヲコさんの『G戦場ヘヴンズドア』が大好きだ。

歳を経るごとに、深みを増してゆく“好き”を、私は具体的に語ることができない。

物理的に限りある本棚の中身が、定期的に入れ替わる中で、ずっとそこにある物語。

もう、人生の一部になりすぎていて。

どうやって息をしているのかを、滔々と語ることができないように、

読んだとき、心のどこがどのように震え、うねっているのか、動きをうまく伝えられないのだ。

ただ、熱さだけは、わかる。

人体の仕組みを説明できなくても、吸い込んだ空気の冷たさや、

体内を流れる血液の温かさは、感じることができる。

『G戦場ヘヴンズドア』を読むと、熱くなる。

自分の奥底から、湧き上がる熱を感じる。

読みたくなり、書きたくなる。

ひたむきに、描いてみたくなる。

#ハッピーライティングマラソン

#本田健

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