いろいろ、下手くそな人生ではあったのだれど、
不器用なりに成長した、現在。
じゃあ、今のまま昔に戻ったとしたら、前よりうまくやれるのか?
というと、まったくそんな気がしないのです。
今の記憶を持ったままなら、逆に、
そのときとは違うところを見て、別の道を選んでみるのじゃないかな。
「もし、こっちに行ったら、どうなるのかな?」
「私が見えていなかった世界には、何があったのかな?」
を、体験するために。
同じ出来事を、記憶と経験を活かして、もっとうまくやる。
っていうのは、できる気がしない。
実際に、いくつか過去をシミュレーションしてみても、
「もっとこうすればよかったのに…!」
が、思い浮かびませんでした。
たぶん、私、やりきってきたんだと思います。
下手くそなりに、不器用なりに、
そのときの最善を、たとえ当時は不本意だったとしても、自分で選んで。
そして、選んだ人生を、正解にしてきたんだと思います。
流した涙も、飲みこんだ声も、葬り去りたい黒歴史も、全部ひっくるめて。
今がいちばん幸せ! って言いたくて。
もしもの話で、過去に戻ってやり直したいことがない。
それって、ものすごく幸せなことなんじゃないかと、
お茶をすすりながら、ぼんやり考えてみるわけです。
