斡由は、いるんだ。わたしの中にも。
わたしの目に映る世界では、わたしはどうしたって正しい。
はずだった。
だけど顧みて、そこに道理があったかと言えば。
十二国記を読んで、心がざらりとしたときは、
そのキャラクターと同じものが、自分の中にもあるということだ。
これを十代で読むのは、いろんな意味で大変で、いろんな意味で幸せだったと思う。
現実では出会えない人たちに、人生の土台を作る時期に出会えたのだから。

今作は、昔読んだときも思ったけど、安心感があるんだよなあ。
尚隆のなせる技かな。
最初に、雁が豊かな国として描かれているから、
何があったとて、そこまでは辿り着くと知っている。
歴史を知ることを楽しめる、安心感だろうか。
尚隆に対しては、心がざらつくことはないんですよね。
純粋に尊敬しているし、安心している。
わたしにはない風格と思考を持った人だと。
読み返していて、ページをめくるごとに、
ああ次はこうだったな。ってシーンが思い出されて、
答えあわせのように、貪り読んだ今作。
続くシリーズのファンとしては、更夜や院白沢に会うのが嬉しい巻でもありますね。
さあ、次作は、わたしがいちばん好きな物語に突入だ!