なぜ僕らは働くのか(池上彰)

書店でぱらりとめくったら、漫画だったので、買いました。

「はじめに」に、こんな一節があります。

この本は、将来の働き方について中学生や高校生に考えてもらおうと願って作られました。

(中略)

この本は中高生向けではありますが、大人であっても、自分の仕事に不満を持ったり、不安があったりする人がいるでしょう。

そんな大人にも読んでもらいたいのです。きっと初心に返って、仕事への意欲が湧いてくることでしょう。

その言葉どおり、大人にも子どもにもわかりやすい本でした。

漫画と解説で、ストーリー仕立てになっていて読みやすいのと、すべての漢字にふりがながついている親切設計です。

私自身、社会にある職業を広く知ることもなく、会社員が何をしているのかもわからないまま、

「好きなことで今すぐにお金を稼ぐのは難しいし。終身雇用なんて無理だろうけれど、とりあえずどこか会社に入って、結婚したらパート生活なのかなあ」

…と、ぼんやりした想像で、新卒から乗り切ってきた40代。

仕事から離れた間に、社会が大きく変わって、これからどう働きたいのか・どうやって職に結びつけるかを考えたとき、答えはまだ出ていません。

そんな私には、ビジネスのノウハウを得るよりも、「初心に返る」のが先ではないかと感じました。

読み始めて最初に、まず「仕事は誰かの役に立つこと」だと教えてくれます。

私たちが生活をするとき、そこには必ず人と人とのつながり合い、助け合いがあるということです。

(中略)

自分ではできないこと、労力や時間を割けないことを、他の人がする“仕事”に助けてもらう。

(中略)

世の中は仕事によって助け合いのネットワークができており、仕事に対しては、お金を払うことでお礼の気持ちを伝えるルールなのです。

これ、めちゃくちゃわかりやすい!

直接お金を払う以外にも、税金を納めたり広告を出してもらったりする、見えないお金の流れがあることも説明してくれています。

この「仕事とは何か」という、根本的なところから話が始まり、

  • 仕事と人生の関係
  • やりたい仕事の見つけ方
  • 幸せな働き方
  • 未来の仕事

などの具体的な項目を経て、中高生に伝えたいメッセージで締めくくられていました。

当時の自分が、もしこれを読んだとしても、どれほど吸収できたかはわかりません。

実際に社会に出て、世の中の変化も痛感した今だからこそ、響くものもあります。

ただ、子どもたちには、こういった考え方や知識は、早めに触れておいてほしいなと思いました。

理解できても、できなくても、知っておくだけで選択肢が広がることは、実感した親の気持ちです。

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