「P.F.ドラッカー」経営学の人として、名前は知っています。
でも、ちゃんと触れるのは、これが初めてでした。
我ながら、珍しい本を選んだなあ(笑)。
自慢できたことではないのですが、目立ちたくない・揉めたくない・怒られたくないの3拍子で、集団生活を営んできたので…。
今まで経験してきた集団活動は、学校や町内での役割がほとんどで、どれも心地よいとは言い難い場所でした。
だから、自分にはリーダーなんて無理だ、責任を押しつけられるのもごめんだと思っていて、背負う覚悟もやる気もなかったし。
右に倣えのその他大勢か、リーダーをサポートする側の副班長的なポジションでいることに、心を砕いていました。
だけど最近、「意外とできることがあるんじゃないかな?」「私もやってみたいな」って、気持ちが前に向いてきたんです。
以前、フェイスブックに挑戦して、「西野亮廣エンタメ研究所」に参加してからかな。
挑戦する人たちを応援するオンラインサロンで、西野亮廣さんご本人はもちろんなのですが。
その環境で、たくさんの挑戦をして大きなものを背負っている、インターン生さんたちを見てきたから。
この集団は嫌だからとか、そういう問題じゃないでしょ。私の生きている場所でしょ。ちゃんと向き合っていかないと、つまらないばっかりの人生だよ。
そんなふうに感じるようになって。
といっても、先頭に立って物事を進め始めたわけではないけれど…。
役を頼まれたとき、できない理由を探すのはやめよう。適当にやり過ごすのではなく、自分の役割にまっすぐ向き合ってみよう。責任を背負ってみよう。
40歳になってようやく、新社会人みたいな決意ができたんです。
その心境の変化が、「リーダーシップ論」を手に取らせたのだと思っています。
これまでにも「まんがでわかる」シリーズはいろいろ読みました。
どれも漫画→解説という構成だったのに対して、こちらはほぼ全部漫画!
ところどころにキーワードの解説や、ドラッカーの言葉の引用は書かれているのですが、99%漫画。
なので、ストーリーと同時に読めて、とてもわかりやすかったです。
経営者が学ぶような難しいイメージがありましたが、「おわりに」にもあるように、
「ドラッカーのリーダーシップ論は、仕事にかかわらず、ボランティア、家族、部活、サークル活動など、あらゆる人の集まり(組織的)にとって役立つ」内容でした。
物語として落とし込んだあと、藤屋さんの言葉を読むと、実に響きます。
ドラッカーのリーダーシップ論の本質をひとことで言えば、「メンバーの心をひとつにし、自発的な行動を促して成果を生むための知恵」と呼べるでしょう。
(中略)
リーダーとして振る舞うことは、なにも組織のトップだけに求められることではありません。
自分ができることを通して、組織にいい影響を与えようと心掛けることは、メンバー全員に求められるリーダーシップであると言えるでしょう。
人は結局、置かれたポジションで強みを生かすことでしか、輝くことはできないのですから。できないことにとらわれるのではなく、できることを考える。
人に対しても、自分に対しても、そういう意気込みでチャレンジを続けることが大切なのだと思います。
「リーダー」という言葉には、今だって尻込みしてしまいそうになる、ちっぽけな私だけれど。
普段、家庭でやっているのだって、同じことです。
ただ、場所や相手が違うだけ。
今は「親として」だけの覚悟や責任を、社会に向けても、背負ってみようではありませんか。