「料理が苦痛」な人のための、料理本です。
前作では、一度料理から離れてみて、苦痛を解決する方法が書かれていましたが。
今回は、
ただ、その一方で、たとえ一時でも料理をやめることができないという現実もあると思いました。
おなかをすかせた家族が待っている、外に食べに行く時間やお金がない……など、人それぞれに事情があります。
この本は料理が苦痛だけれどやめるわけにはいかない、どうにかやりくりしていかなければならないと思う人に向けて書きました。
ということで、自身の苦痛の正体を知り、解決したり、予防したり、やり過ごしたりできるようになる1冊です。
最初に書かれている、「料理が苦痛であることの大きな損」、その通りだなあと苦笑してしまいました。
時間の損、お金の損、栄養バランスの損、健康の損、気持ちの損、雰囲気の損。
その無限ループから脱出する力をつける処方箋、じっくり読ませていただきました。
何のために料理をするのか
私が苦痛だと感じる事柄は、以前にリストアップしてみました。
これを踏まえて、私がこの本から学んだことは、
- メニューは炭水化物から考える。混ぜご飯・チャーハン・パスタか、白ご飯+汁+おかず。
- 主菜はシンプルに、蒸す・炒める・煮る。
- 「具」になる食材と、「味つけ」になる食材に分けて、組み合わせてみる。
- 食材は一気に切るか、切らずにすませる。手でちぎる・キッチンばさみで切る・冷凍後使うときに手で割る。
- シンプルな味つけにする。みりん・しょうゆ・酒・酢・塩・こしょう・ごま油くらいが揃っていればどうにかなる。最後はマヨネーズ。
- リレーレシピでアレンジする力を育てる。パートナーは、カレー粉などのスパイス・黒こしょう・チーズ・ごま油やオリーブ油・辛味噌。
あれこれメニューや手順を複雑に考えなくても、たくさんの買い出しをしなくても、単純化して捉えれば、ひとつひとつは何とかできそうです。
でも、いちばん大事だと思ったのは、これ。
たとえ手抜き料理、昨日とまったく同じ料理だったとしても、「堂々と」「自信を持って」「にこやかに」食卓に出してほしいのです。
日頃から、心を穏やかに・気持ちを整えることに、重きを置いている私ですが。
料理においても、「自分で自分の機嫌を整える」のは、大切なことですね。
子ども時代を思い返せば、よくわかります。
実家の母は料理が上手で、いつもバランスのとれたおかずが並んでいて、出来合いの惣菜が出てきたことは、ほとんどありませんでした。
けれど、家族に「温かいうちに食べて」と言い、片づけをすませる母は、一緒に食卓にはつけず。
手間のかかることはやはり大変なのでしょう、食事に関して食べる側に求められることも大きく、ときに苦痛でもあり。
「カップラーメンでいいから、にこにこして一緒に食べてほしいな」と思ったことも、確かにありました。
家族のための頑張りが、家族のためにならなかったら、寂しいです。
何だっていいや、私は笑って、食卓に並べよう!
「一緒に暮らして楽しかったな」と、いずれ巣立った子どもたちの思い出に、なったらいいな。
「料理とは本来、とてもクリエイティブな手仕事」
これ、ちょっとした衝撃でした。
料理番組は、たとえ作らなくても、見ていることそのものが楽しいものだ、と。
確かに…本多さんの言うとおり、同じ家事でも「人がずっと掃除機をかけている番組」はないですものね。
料理をクリエイティブな手仕事としてワクワクやるか、嫌々こなす作業にするか。
それによって、日々の暮らしの満足度が、かなり変わってきそうです。
――とりあえず、読み終えて、白だしと黒こしょうを買いに行きました(笑)。
今日からちょっぴり、クリエイティブにするために。